サービス経営学部の藤野洋教授(専攻:中小企業論、持続可能な開発目標(SDGs))と藤野ゼミの2年生3人(内、2人は出身国の異なる留学生)と3年生3人が2024年11月1日に大和合金株式会社(本社:東京板橋区:1953年設立)の三芳工場と三芳合金工業株式会社(埼玉県入間郡三芳町:1963年設立)を訪問しました(両社は関係会社)。
両社への藤野ゼミ(当時の4年生)の訪問は2023年9月に引き続き2回目でした。
両社は、2008年度「勇気ある経営大賞」(東京商工会議所)の大賞、2022年度「グッドカンパニー大賞」(中小企業研究センター)の特別賞をはじめとして、多くの顕彰?表彰の実績をもつ外部からの評価の高い企業です。
訪問の目的は、普段の授業では体験できない日本のモノづくりの根幹を担っている企業でのミーティングと工場見学に取り組むことによって、新たな学びを得ることです。
代表取締役社長の萩野源次郎氏と留学生と同じ出身国の2人の従業員と欧州出身の従業員を始め多くの従業員の皆様が学生を出迎えてくださいました。
ミーティングには萩野社長と外国出身の3人の従業員が参加し、最初に学生が自己紹介を行ったのちに、大きな社員食堂で萩野社長と海外出身の従業員も交えておいしい昼食をいただきました。この社員食堂にはステージもあり、プロの音楽家を招いて音楽会を行うこともあります。
昼食後に、代表取締役社長の萩野源次郎氏から、学生が事前に提出した質問へのご回答を含めて、「外国人材の活用事例」を中心として、豊富な資料に基づいて以下のようなご説明をいただきました。
?大和合金は加工?販売、三芳合金工業は開発?製造を担っており、製品としては、銅合金を基に、鋳造品、鍛造品など多様な製品を日本国内の大手メーカーのみならず、世界的なメーカー等多数の販売先に供給しているきわめて技術力の高いメーカーです。その独自性の高さが端的に表れているのが、人体への有害性が懸念されているベリリウムを使用しない特殊銅合金である「NC合金」の開発です。
?このような技術力の高さで世界的に評価が高く、販売先は国内外の大手メーカー中心に400社超、用途も自動車、鉄道、航空機、船舶、鉄鋼、機械、重電、液晶、金型、光ファイバー?海底ケーブル、半導体、有機EL(エレクトロ?ルミネッセンス)、液晶、核融合と多岐にわたっています。
?海外戦略としては航空産業、宇宙産業、核融合、粒子加速器などの分野への進出に力を入れており、海外売上高の金額と比率と高めようとしています。
?そのために、製造?開発でのAIの活用にも力を入れています。
?加えて、近年、海外人材の積極的な採用と育成に力を入れており、多くの出身国の従業員が働いています。
?人材育成の3本柱は、①固有技術の向上(著名な研究者による月例技術勉強会による)、②管理技術の向上(5S、QC、品質マネジメントシステムの認証取得などによる)、③人間力の向上(「禅と論語の勉強会」、木鶏会(人間学の月刊誌の読書会)、並びに当社敷地内で地域住民等にも開放してプロの音楽家を招いて学生が昼食をとった食堂で開催する「みよし森の音楽会」などによる)です。従来から家族的な経営で、社員?地域?仕入先にも愛される企業を目指しています。
?こうした取り組みの背景には、「個性と人間力を伸ばし合い、美しい調和を創造し続ける!」という当社の「ビジョン」と「銅合金で世界一、人間力でも世界一」という目標があります。
ご説明の後に、工場を萩野社長にご案内いただき、合金の鋳造?鍛造などの製造現場や、大手メーカーから譲り受けた100年以上前の機械設備や連続鋳造機、金型製造などの現場も見学させていただきました。その過程で、同社の多岐にわたる製品の高度な一貫生産体制の競争力の高さがわかりました。
工場見学後には、再度ミーティングを行い、萩野社長から丁寧なご説明をいただき、最後に参加者全員から感想を萩野社長にお伝えしました。
萩野社長をはじめとする皆様のご厚意で、訪問した学生は、地域の企業の経営と生産活動の現場を直にみるという貴重な経験と多くの学びを得ることできました。
なお、大和合金株式会社と三芳合金工業株式会社については、①昨年度のゼミでの訪問記事と②藤野教授が紹介した以下の記事もご覧ください。
①「サービス経営学部藤野ゼミの4年生が卒業論文の研究で大和合金株式会社?三芳合金工業株式会社を訪問」西武文理大学Web 2023年10月3日
/topic/news/a139
②「研究開発と人材育成で特殊銅合金を国内生産」
元気das® biz2023年6月12日発行(編集?発行所/㈱シーズン元気das® biz編集室)
https://season-inc.net/genkidasbiz/230612/kirameki.html