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鉄道研究会が北関東の鉄道を訪問

鉄道研究会が北関東の鉄道を訪問しました。

鉄道研究会が北関東の鉄道を訪問しました。

鉄道研究会が326日、北関東の鉄道事情の研究活動として、首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)、関東鉄道、JR東日本?水郡線を訪問しました。

つくばエクスプレスは開業19年目を迎え、都心とのアクセスが劇的に改善した沿線は開発が進展して、コロナ禍を経ても沿線への人口移転が進んでいます。鉄道経営も軌道にのり、今年の3月のダイヤ改正ではラッシュ時間帯の増発などの対応がとられています。

始発の秋葉原から関東鉄道との乗換駅?守谷まで快速電車を選んで乗車しましたが、全線高架または地下で踏切がないことから最高時速130キロでの走行は圧巻でした。

【守谷駅】

守谷からは関東鉄道に乗車しました。関東鉄道は茨城県の非電化の鉄道事業者で、かつては筑波や茨城空港にも近い鉾田方面にも路線を有していましたがモータリゼーションの進展で分社化後廃線となり、高度経済成長の時代にベッドタウン化し沿線人口が増加した常総線と竜ケ崎線の2路線のみとなっています。今回訪問した常総線は、通勤客の多い水海道までは複線、以北は単線となり次第に農村風景が広がっていきます。その要衝である水海道駅は今もホームと駅舎の間は「構内踏切」で往来する、昔ながらの駅の佇まいがありました。

【水海道駅】

水海道で1両の単行の列車に乗り換えとなり、JR水戸線に接続する終着駅?下館へ向かいます。平日の日中ということもあってか、乗り通したのは鉄道研究会のメンバー以外は1人しかいませんでした。

【下館駅:常総線終点下館駅。JR水戸線のほか真岡鉄道とも接続する一大拠点駅。】

【下館駅の広告:下館駅に掲示されている運転手募集広告に、少し心が動かされます???】

下館からは、かつて筑波への路線が分岐していた岩瀬駅を経て、水戸へ向かいました。水戸からは今回の訪問のクライマックスである水郡線に乗り換えます。水郡線は水戸と福島県の郡山(正式にはその一つ手前の安積永盛駅)および常陸太田への支線からなる路線で、今年が全通90年に当たります。沿線には久慈川の渓流や、かつては全面氷結した袋田の滝といった観光名所があります。一方で久慈川に沿う路線ゆえ、2019年には水害で橋梁が流出するなど、1年半に渡り不通となる区間がありました。

1315の郡山行きの列車は、その前から2時間余り運行間隔が空いていることもあり、4両編成の車内は帰宅する高校生等で立ち客も出る満員状態でした。しかし、駅ごとに少しずつ降車客があり、福島県との県境を越える頃には閑散としてきます。

袋田の滝の最寄り袋田駅を過ぎ、福島県側に入る手前の要衝?常陸大子駅で3両が切り離され、郡山へ向かうのは1両のみになります。この先は一日10往復、この前の列車から4時間も間隔が空いていて乗車している列車が午後の一番列車に相当しますが、このような状況は県境を挟んだ流動の少なさを物語っています。

【袋田駅:合理化が進められ、列車の交換設備が撤去された袋田駅】

【常陸大子駅:常陸大子駅で4両中3両が切り離され、1両で終点郡山に向かいます。】

 磐城石川駅から、帰宅の高校生が増え、1両の列車は満員状態になりました。合理化がすすめられた結果、福島県側は水郡線の駅としては磐城石川駅を除き全てが無人駅で、降車の際の運賃収受を車内で行うこともあり、東北線と合流する安積永盛駅には2分の延着となりました。旧国鉄時代は、上野から磐城石川駅まで直通の急行列車もありましたが、今回水戸から福島県側まで乗り通したのは数名で、用務と思われる乗客はおらず、地域の高校生の通学輸送がメインとなっている地方の鉄道の共通項がここでも見られました。

【磐城石川駅:福島県側唯一の駅員配置がある磐城石川駅】

【安積永盛駅:水郡線の終点安積永盛駅。郡山市内ですが、この日は雨から雪に変わって雪景色が広がりつつありました。】

最後に、帰途乗り継ぎとなった宇都宮で、昨年夏に開業した宇都宮ライトラインを見学しました。ちょうど勤め先からの帰宅時間帯だったこともあり宇都宮駅前の乗り場は行列が出来ていました。開業以来好調が伝えられていますが、地域の足として定着した雰囲気が伝わってきました。

【宇都宮駅:宇都宮ライトラインでの帰宅風景。通勤の足として定着していました。】

 北関東を巡る、駆け足での訪問となりましたが、北関東でも、都市圏とそれ以外の地域で鉄道を巡る事情が大きく異なってしまっている状況を否応なく実感する1日となりました。